大阪府立高の現職教諭西本武史さん(34)が長時間労働を強いられ適応障害を発症し休職を余儀なくされたとして、府に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は28日、請求通り約230万円の支払いを命じた。横田典子裁判長は過労が適応障害につながったとして、業務の負担を軽減しなかった学校側に注意義務違反があったと認めた。
国は教職員給与特別措置法(給特法)で教員の時間外勤務に関し、校長の命令に基づく実習や職員会議などの「超勤4項目」に限って認め、月給の4%分を上乗せする代わりに時間外手当や休日手当を支給しないと規定。教員の繁忙化が進み、同法は「サービス残業の温床」との批判もある。
判決は、超勤4項目に当たらず校長の命令にも基づかない部活動の指導なども業務と認定。学校側は西本さんが長時間労働で健康を害すると認識、予見できたのに「過剰な業務負担の解消のために有効な配慮をしたとは言えない」と指摘した。
判決などによると、西本さんは2016年4月から現在の高校で勤務。17年からクラスの担任に加え、部活の顧問や海外語学研修の引率など業務が増え、時間外勤務は月100時間を超え、17年7月に適応障害を発症し、18年までに2度休職した。今年2月には府が公務災害と認定した。
(共同通信社)