東京のエステサロン運営会社と記事執筆の業務委託契約を結んだフリーライターの女性(27)が、代表取締役の男性から性的被害やパワーハラスメントを受けたとして、男性と運営会社に慰謝料など計約580万円を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、被害を認め、未払い報酬代を含め計約188万円を支払うよう命じた。
雇用契約関係にない女性に対し、会社が安全配慮義務を負うのかどうかが焦点だった。女性の代理人弁護士は判決後の記者会見で、フリーランスへのハラスメントが横行する中、「雇用契約にある労働者と同じような認定の仕方で、画期的な判決だ」と評価した。
判決理由で平城恭子裁判長は「女性は会社の指揮監督の下で労務を提供する立場にあった」と指摘。会社は民法上の安全配慮義務に違反したと認めた。
判決によると、女性は2019年3月に男性側からエステ体験などのコラムの執筆を依頼され、報酬月15万円で業務委託契約が成立。男性は約7カ月間にわたって施術体験や打ち合わせの際に女性の体を触ったり、性交渉を求めたりするセクハラをした他、「記事の質が低い」などとして正当な理由なく報酬の支払いを拒んだ。
(共同通信社)