リファレンスチェック

公開日 2022.05.25 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

リファレンスチェック(りふぁれんすちぇっく)

 中途採用を行う企業が、応募者の同意を得た上で、前職の上司や同僚に、その者の職務内容や勤務状況などを問い合わせること。外資系企業が、選考過程において、職歴や能力などを応募者以外の者に確認するために実施することが多かったが、最近は、日本企業でも行われるようになってきている。
 リファレンスチェックは、次のような流れで行われる。

(1)採用企業が応募者にリファレンスチェックの実施について説明し、承諾を得る

(2)応募者が、情報の提供者(前職の上司や同僚など)に協力を依頼し、その者から承諾を得る。その後に、情報適用者を採用企業に連絡する

(3)採用企業が、情報提供者に電話やメールで連絡を取り、前勤務先での職務などを確認する

(4)採用企業は、リファレンスチェックの結果も参考として、採用の可否を判定する。

 なお、職業安定法5条の4および「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」(平11.11.17 労告141、最終改正:令4.3.31 厚労告143)では、次のことが定められており、リファレンスチェックを実施する場合、これらを遵守しなければならない。

●社会的差別の原因となるおそれのある事項(人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地など)、思想・信条、労働組合への加入状況などの個人情報の収集は、原則として認められない

●個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、または本人の同意の下で本人以外の者から収集するなど、適法かつ公正な手段によらなければならない