2022年05月13日掲載

BOOK REVIEW - 『人事担当・管理職のための メンタルヘルスの教科書』

清水隆司 著
日本メディメンタル研究所(株式会社JPRON)所長 医学博士/産業保健コンサルタント 
四六判/256ページ/1500円+税/総合法令出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ ストレス過多の時代といわれる現代において、企業が従業員個々の精神面、体調面の管理・フォローアップを行う「メンタルヘルス・マネジメント」の考え方が重視されている。本書は、産業医として長年活躍してきた著者が、従業員の精神疾患の事例、職場復帰のステップやフォローアップなど、メンタルヘルス・マネジメントへの取り組み方を、人事担当者や管理職に向けて具体的に紹介していく書籍である。

■ 第1章では、企業におけるメンタルヘルス・マネジメントの必要性について解説し、第2章では、メンタルヘルス不調かどうかの判断基準やメンタルヘルス不調の従業員への接し方などについて具体例を挙げながら紹介している。第3章では、休職期間中にすべきこととして、企業側の対応と休職者本人の留意点を詳しく列挙する。例えば、"休職中に仕事を思い起こさせるようなメールの送付は禁物"など、複数のポイントが示されているため参考になるだろう。続く第4章では、「復職可」の診断が出た後の対応や試し出勤について解説し、最後の第5章では、復職後のフォローアップと再発予防策に触れている。

■ 産業医として数多くの事例を見てきた著者は、「メンタルヘルス・マネジメントの要は上司と人事である」と説く。従業員に対する上司のマネジメント意識がまず肝心であり、人事もそれを理解して、万一の際には支援する体制を整えることが重要だ。自社の管理職はメンタルヘルス・マネジメントについて正しい知識を持っているだろうか? 具体例が豊富に掲載された本書を研修等で活用し、管理職や人事担当者のメンタルヘルス・マネジメントスキルを向上させてほしい。

人事担当・管理職のための メンタルヘルスの教科書

内容紹介
休職から復職までのサポートガイド決定版!

従業員の心身の健康管理責任が企業に問われる今、精神疾患に対するマネジメント――つまりメンタルヘルス・マネジメントは不可欠です。
新型コロナウイルスにより、精神的な疲労を人に会って相談することも、従業員の小さな変化に気づくことも難しくなった今、さらにその重要性は高まっています。
もし精神疾患を抱えた従業員が休職したら、そのサポートやフォローアップをするのは人事担当・管理職の仕事です。
そこで本書では、正しい産業医の選び方、メンタルヘルス不調の判断、従業員とのコミュニケーション、そして休職中~復職後のフォローアップまで、丁寧に解説します。
本書を1冊読めば、メンタルヘルス・マネジメントの基礎を学び、すぐに活用できるはずです。