不妊治療と仕事を両立 マニュアル刷新、厚労省

 

 厚生労働省は不妊治療と仕事の両立に向けて、治療しやすい職場づくりを解説した企業用のマニュアルを刷新した。不妊治療の希望者は、4月から保険適用が始まったことで増えるとみられる。急に診療が入るなど予定が立てづらい治療のため職場の理解が不可欠で、厚労省はマニュアルにより、治療しやすい環境を後押しする考えだ。

 厚労省の2017年度調査では仕事と治療を両立できなかった(またはできない)人は計35%。一方、支援制度がある企業は9%にとどまった。

 マニュアルは両立支援制度を導入する場合の手順を紹介。企業としての方針を明確にし、社員に対するアンケートやヒアリングを通じて実態を知ることを推奨した。既に支援制度がある企業の事例数を増やし、詳しい内容や運用する上でのポイントを盛り込んだ。

 厚労省はこのほか、周囲の理解を促すため、上司や同僚ら向けの冊子も見直した。治療中の部下や同僚に対し、どのような配慮が必要なのかを説明し、相談されたり、治療を知ったりした際に望ましい対応をまとめた。

 治療中の社員が、主治医から示された配慮事項を企業の担当者に伝える「不妊治療連絡カード」も使いやすい物にした。

(共同通信社)