公開日 2022.04.25 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)
公的年金シミュレーター(こうてきねんきんしみゅれーたー)
各人がパソコンやスマートフォンでアクセスし、生年月日や今後の年収などのデータを入力すれば、将来の年金受給見込額の試算などができるツール。2022年4月下旬に厚生労働省がWebサイト上で運用を開始した。
自分の年金受給見込額を確認するだけではなく、現在の働き方・暮らし方を変えた場合の年金の変化をシミュレーションすることもできる。また、年金受給開始時の税金や社会保険料の支払額の概算を表示する機能も付いていて、老後の生活設計に役立てることもできる。
公的年金シミュレーターの特徴として、厚生労働省は、次の3点を挙げている。
(1)簡単でスムーズな操作性
利用の登録やID・パスワードの設定は不要で、各人の「ねんきん定期便」に記載されているニ次元コードをスマートフォン等から読み込めば、今の働き方を続けた場合の年金見込額を試算できる。また、「ねんきん定期便」がなくても、自分の生年月日や働き方・暮らし方や年収などに関するデータを入力すれば、将来の年金見込額を試算できる。
(2)グラフを表示しながら試算できる
年金見込額のグラフが表示された画面において、「今後の年収」や「年金の受給開始年齢」などのスライドバーを操作することによって、年金見込額の変化を視覚的に捉えることができる。
(3)安心・安全に利用可能
個人情報が一切記録されず、一度シミュレーターを離れるとデータは消去されるため、安心・安全に利用することができる。
なお、このシミュレーターは、将来受け取る年金額を簡易に試算することを目的としており、実際の年金額とは必ずしも一致しない。したがって、年金記録の確認や正確な年金見込額の確認をする場合には、日本年金機構の「ねんきんネット」を活用することなどが必要となる。