東証プライム上場の建築資材メーカー「ニホンフラッシュ」(徳島県小松島市)の本社工場で2018年、新入社員だった男性=当時(19)=が台車の下敷きになり死亡した事故を巡り、遺族が同社に計約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、徳島地裁は11日、同社が注意義務を怠ったのが原因と認め、計約7600万円の賠償を命じた。
判決によると、18年4月に入社した男性は同年11月、木製の合板が積み込まれた台車を同僚と移動させていた際、倒れた台車と合板の下敷きになり死亡した。
島戸真裁判長は、台車には男性が引っ張っていた側に合板50枚(重さ約500キロ)が集中して積み込まれていたとして「台車の重心が偏り、安定性が大きく損なわれることは明白だ」と指摘。台車が転倒して死傷事故が発生し得ることは十分に予見できたのに、同社側は移動方法の指導を実施していなかったとして「注意義務違反があった」と判断した。
(共同通信社)