就活セクハラ防止策を強化 学生に回避方法説明 厚労省、4人に1人被害

 厚生労働省は、大学生らの就職活動が本格化する中、企業関係者のセクハラから学生を守るため対策の強化に乗り出した。新たに、大学に職員を派遣して被害に遭わないための方法や相談先を説明する。具体的な被害事例についても学生向け就活サイトで周知する。厚労省の2020年調査によると学生の4人に1人が被害に遭っており、対策が急務となっている。
 新たな対策では、厚労省が、希望する全国の大学や専門学校に職員を派遣またはオンラインで、個室での1対1の面談を避けるなどの被害回避策や、関係法令のポイントを解説する。被害に遭った人から意見を聴き、就活生に周知するほか、行政の相談対応に生かす。
 企業への啓発として、学生によるOB・OG訪問時のルール作成など、セクハラ防止策に取り組む企業の事例集を22年度中に厚労省のホームページで公開する。悪質事案を起こした企業への行政指導を徹底する。
 就活中のセクハラ被害を巡っては、厚労省は19年に関連指針を改正。企業に、就活やインターンシップ(就業体験)中の学生へのセクハラ防止に努めるよう規定した。
 厚労省が20年10月に実施した調査では、学生の25・5%が就活やインターンシップの際にセクハラを受けた経験があると回答。男女ともほぼ同じ割合だった。被害者の24・7%が誰にも相談していなかった。
(共同通信社)