急性心筋炎を発症後、2014年に脳出血で死亡した男性調理師=当時(33)=の遺族が、長時間労働による免疫の低下が発症原因だとして勤務先だった店側に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は店側の上告を退ける決定をした。16日付。約8400万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。店は大阪市中央区のフランス料理店で、ミシュランガイドへの掲載実績もある。
判決によると、男性は12年に急性心筋炎と診断され、14年6月に死亡した。午前8時ごろまでに出勤し、翌日午前1~2時ごろまで勤務。週1回の定休日以外の睡眠時間は1日5時間以下で、発症までの約1年間、1カ月の時間外労働が平均250時間だった。
一審大阪地裁は、過労や睡眠不足で体の防御機能が低下し、心筋炎を発症したと指摘。その後も休めなかったことで症状が悪化した可能性があるとして、店側の責任を認めた。二審大阪高裁も支持した。
(共同通信社)