一人親方にも安全対策 企業義務付け、省令改正へ

 

 厚生労働省の労働政策審議会分科会は22日、建設現場などで働く「一人親方」ら個人事業主をアスベスト(石綿)や放射線などから保護するため、仕事を発注した企業に安全対策を取るよう義務付ける方針案をまとめた。厚労省は2021年度中に省令を改正する方針。5月の建設アスベスト訴訟最高裁判決で、労働者に加え一人親方も保護対象にすべきだとされたことを踏まえた。

 厚労省によると、労働安全衛生法は有害物質を扱う企業に排気や警報装置の設置、事故発生時の退避といった安全対策を義務付けている。建設現場などでは、企業に雇われている労働者と個人事業主が入り交じって働いているケースが多いが、こうした対策は労働者のみを対象としていた。

 厚労省は一人親方への国の賠償責任も認めた最高裁判決を受け、企業の安全対策の対象に、労働者と同じ現場で働く個人事業主や、事業主と一緒に仕事をする家族も含める。資材搬入などで現場に出入りする人たちも対象とする。

(共同通信社)