立命館大の教授会でのパワハラ発言で教授への昇任が否決され、退職に追い込まれたとして、元准教授の英国人女性ブレーク・ヘイズさんが大学側に7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は15日、55万円の支払いを命じた。
ヘイズさんが過去に懲戒審査の対象になったことを、男性教授が明らかにしたことがプライバシーの侵害に当たり、違法と判断した。昇任否決は大学側の裁量の範囲内で問題はないとした。
判決によると、2015年11月、国際関係学部の教授会で男性教授が、ヘイズさんが懲戒審査の対象になったことを挙げ「あり得ない行為だ」と述べた。投票の結果、昇任は否決された。実際には懲戒処分には至らなかった。
池田知子裁判長は判決理由で「事実を公表されない法的利益は相応に大きい」と指摘した。大学側はその後、男性教授の発言がパワハラに当たると認め、個別指導をしたが、昇任の再審査はしなかった。
判決後、ヘイズさんは取材に「不適切な発言を認めてくれたのはうれしい。救済や謝罪を求めたい」と話した。立命館大は「判決が届いておらず、コメントできない」としている。
(共同通信社)