医師残業、年1860時間 上限定める省令案了承


 医師の働き方改革を巡り、厚生労働省の労働政策審議会分科会は30日、勤務医の残業時間の上限を原則年960時間、地域医療を担う医療機関などで、長時間労働を避けられない場合は年1860時間とする省令案を了承した。同省の有識者検討会の中間取りまとめなどを踏まえた案で、同省は労働基準法施行規則の一部改正などを行う。
 施行は2024年度から。年1860時間の適用対象には研修医が所属する医療機関なども含まれ、各医療機関は事前に都道府県から指定を受ける必要がある。
 政府は今年5月に医療法などを改正。年1860時間の適用対象となる医療機関に、医師の連続勤務の制限や、終業から次の始業までの休息時間を確保する「勤務間インターバル」の措置を取るよう義務付けた。
 政府は働き方改革の柱として、19年4月から残業時間の上限を原則として「月45時間、年360時間」、最長でも「月100時間未満、年720時間」などとする規制を導入。医師は5年間、適用を猶予され、規制の在り方を議論してきた。
(共同通信社)