雇用保険料率引き上げへ 現行0・9%、労使負担増

 

 厚生労働省は25日、労使で賃金の計0・9%を負担している雇用保険の保険料率を、来年度から引き上げる方向で調整に入った。26日に閣議決定する補正予算案では、逼迫する雇用保険財政に2兆円強の一般財源投入が決まっており、労使にも相応の負担を求める必要があると判断した。ただ労使双方が反対しており、今後の審議会で引き上げ率を調整する。

 政府内では雇用保険料のうち、失業手当などに使う「失業等給付」分を計0・2%から計0・6%まで引き上げる案が出ている。雇用調整助成金(雇調金)の原資となり企業のみが負担する「雇用保険2事業」は、0・3%から本来の率である0・35%に戻す方向だ。「育児休業給付」は計0・4%を据え置く。

 この案に沿った場合の保険料率は現行の計0・9%から計1・35%に上昇する。労働者の負担はうち0・5%で、月収40万円の場合、月額の負担額が1200円から2千円に上がる計算だ。

 雇用保険を巡っては、新型コロナウイルス禍で雇調金の支出が急増。昨春からの支給決定額が累計5兆円に迫り、財源がほぼ枯渇している。

(共同通信社)