服飾雑貨の製造会社に勤めていた40歳の男性が死亡したのは長時間労働が原因として、遺族が会社側に約7200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、過重労働と死亡との因果関係を認め、会社側に約1100万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は東京都墨田区の「エスジー・コーポレーション」で商品管理などを担当していた2015年11月、致死性不整脈で死亡した。労働基準監督署は17年8月、労災と認定した。
金沢秀樹裁判長は「タイムカードなどで従業員の業務時間を十分に管理していなかった」と指摘。パソコンの使用記録などから、男性の残業時間が死亡前の6カ月間で月平均約77~127時間に及んだと算定し「会社側は過重労働を抑制する義務を怠っており、重大な過失が認められる」と判断した。
判決後、遺族らが都内で記者会見し、男性の妻は「毎日遅くまで働き、亡くなる数年前から『疲れた』『辞めたい』などと言っていた」と説明。「夫の無念を晴らすことができた。会社はきちんと責任を取ってほしい」と語った。
会社側は「判決文を受け取っておらず、コメントできない」としている。
(共同通信社)