九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の薬学部の教授にセクハラを受けたとして、元助手の40代女性が損害賠償を求めた訴訟の判決で、宮崎地裁延岡支部は13日「社会通念上許される限度を超え、人格権を違法に侵害した」として、教授と大学側に計約130万円の支払いを命じた。
判決によると、教授は2016年9月~17年3月、飲み会の席などで女性の体を触ったり、強引にキスしたりした。女性は誰にも相談できない状況が続き、心療内科を受診するようになった。
大淵茂樹裁判長は、指導教授の機嫌を損なえば不利益な扱いを受けると思い、女性は毅然とした態度を取れなかったと指摘。「教授は、女性が自分に好意を持っていると都合よく解釈し、一方的に性的な言動を助長させた。女性の精神的苦痛は重大だ」と述べた。
また、こうした言動が、指導者という優位な立場を背景にしたパワハラに当たるとも判断。業務に密接に関連しているとし、大学の使用者責任も認めた。
女性は判決後に記者会見し「大人だから拒絶できたのではと言われることも多かった。セクハラが認定されたのは大きいと思う」と話した。大学は「判決文が届いておらず、コメントは差し控える」とした。
原告の女性は18年3月、雇用契約を打ち切られている。女性と元助教ら計4人は、不当に雇い止めされたとして、大学側に雇用継続などを求めて係争中。
(共同通信社)