2021年10月12日掲載

2021年コーポレートガバナンス・コードおよび投資家と企業の対話ガイドライン改訂に対する対応 - 第1回 改訂のあらまし


河本裕也

マーサージャパン株式会社 組織・人事変革コンサルティング部門

役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティス シニアマネージャー

ポイント

❶2021年コーポレートガバナンス・コードおよび投資家と企業の対話ガイドラインでは、①取締役会の機能発揮、②企業の中核人材における多様性の確保、③サステナビリティを巡る課題への取り組み、④その他の主な課題(グループガバナンスの在り方、監査に対する信頼性の確保および内部統制・リスク管理、株主総会関係、事業ポートフォリオの検討等)の大きく4点が改訂された

❷コードおよび対話ガイドライン改訂の歩みは、日本企業の「稼ぐ力の向上」を目的とし、コード第1版で「形式的整備」、コード第2版および対話ガイドライン第1版で「実質的対応」、コード第3版および対話ガイドライン第2版で「さらなる攻めの改革の後押し・水準の底上げ」がそれぞれテーマとなってきたと整理できる

❸各企業における取り組みの「有無」には大きな差が見られなくなってきている一方、当初の目的であった「稼ぐ力の向上」は道半ばであり、取り組みの「巧拙」までモニタリングされるという前提で水準の底上げを進めることが肝要である

1.はじめに

 2021年6月11日、東京証券取引所(東証)より「コーポレートガバナンス・コード」(以下、「コード」)、金融庁より「投資家と企業の対話ガイドライン」(以下、「対話ガイドライン」)の改訂版がそれぞれ公表された。
 コードは2015年第1版・2018年第2版に次ぐ3版目、対話ガイドラインは2018年の策定以来初の改訂となる。
 コードの全原則が適用される上場企業の場合、遅くとも2021年12月末日までに改訂後のコードに基づくコーポレートガバナンス報告書の提出が求められている※1ため、対応に追われている読者の方もおられるだろう。
 本連載では、コードおよび対話ガイドライン改訂の背景や各企業の事例も含めた望まれる対応を解説することで、読者の方々がコーポレートガバナンスに関する自社としての考え方を改めて整理し、株主・投資家に対して自信を持って説明する一助としていただくことが狙いである。
 連載は全6回で、執筆はマーサージャパンの役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスに所属するコンサルタントが分担して行う。なお、本連載で意見に当たる部分は、いずれも筆者たちの個人的見解である。

第1回 改訂のあらまし[河本裕也]

第2回 取締役会の機能発揮[池田祐介・磯谷健介]

第3回 企業の中核人材における多様性の確保[坂井 萌]

第4回 サステナビリティを巡る課題への取り組み[船引はるか・中村 透]

第5回 その他の主な課題(1)(株主総会関係)[中村 透]

第6回 その他の主な課題(2)(グループガバナンス、内部統制・リスク管理)[嶋崎天雄・志村 保]

 第1回の本稿では、コードおよび対話ガイドライン改訂の歩みを振り返った上で、今回改訂されたポイントを簡単に解説しよう。

2.コードおよび対話ガイドラインの改訂経緯

[筆者より]本解説における議論の鳥観図として、コードの基本原則・原則・補充原則を一覧形式で整理している。下記リンクよりダウンロードいただき、解説を読み進める際に適宜参照していただきたい。
◆コードの基本原則・原則・補充原則一覧(Excelファイル・クリックしてダウンロード)

[1]コード前夜
 かつての日本のコーポレートガバナンスの特徴は、メインバンク制、株式持ち合いによる安定的な株主構成、業務執行取締役を中心とする取締役会構成等にあった。
 しかし、1990年代後半の銀行危機を契機としたメインバンク制のほころび、2000年代前半の銀行等株式保有制限法や自社株買い・金庫株の原則解禁による株式持ち合いの解消、その後の株主・投資家の台頭等を通じて、徐々にエクイティガバナンス(市場による規律付け)の重要性が高まった。
 2009年には、金融庁において「我が国上場会社等のコーポレート・ガバナンスについては、内外の投資者等から強い懸念が示されており、このことが、日本株全体に対する市場評価を低下させる大きな要因となっている」という問題意識の下、コーポレートガバナンス強化の提言※2がなされている。
 そして、2012年末に成立した安倍政権による成長戦略の中で、コーポレートガバナンス改革は最重要課題の一つと位置づけられた。コード制定のベースとなった「『日本再興戦略』改訂2014」において、日本企業の「稼ぐ力」を向上させるためにコーポレートガバナンスの強化が必要であると明示されている※3

[2]コード第1版(2015年)
 コード第1版は、5つの基本原則・30の原則・38の補充原則の合計73原則から構成され、2015年6月1日から上場会社に適用された。
 「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」による原案※4の冒頭で、「会社は、株主から経営を付託された者としての責任(受託者責任)をはじめ、様々なステークホルダーに対する責務を負っていることを認識して運営されることが重要である。本コード(原案)は、こうした責務に関する説明責任を果たすことを含め会社の意思決定の透明性・公正性を担保しつつ、これを前提とした会社の迅速・果断な意思決定を促すことを通じて、いわば「攻めのガバナンス」の実現を目指すものである」(下線筆者)とコードが目指すべき姿が明示されている。
 コードでは、ルールベース・アプローチ(細則主義)ではなくプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)が採られ、各企業ではコンプライ・オア・エクスプレイン(Comply or Explain=遵守すること、遵守しない場合は理由を説明すること)の手法に基づいて、コーポレートガバナンス報告書等で取り組み状況の開示が求められることになった。「兎にも角にもコンプライ」という態度の企業も散見されたものの、各社がコーポレートガバナンスの本格的な整備に乗り出したという意味で、日本コーポレートガバナンス史の転換点となった出来事と評価できよう。

[3]コード第2版および対話ガイドライン第1版(2018年)
 コード第2版は、第1版に1つの原則・4つの補充原則が追加された5つの基本原則・31の原則・42の補充原則の合計78原則から構成され、2018年6月1日から適用された。
 フォローアップ会議からの提言※5の冒頭で、「コーポレートガバナンス改革をより実質的なものへと深化させていく」と改訂の背景が述べられており、改訂ポイントは、①経営環境の変化に対応した経営判断、②投資戦略・財務管理の方針、③CEOの選解任・取締役会の機能発揮等、④政策保有株式、⑤アセットオーナーの大きく5点に集約される。
 同時に、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードの実効的な『コンプライ・オア・エクスプレイン』を促す」ため、機関投資家と企業の対話において重点的に議論することが期待される事項を5つの基本原則・22の原則の形でまとめた「投資家と企業の対話ガイドライン」も策定された。
 コードの改訂および対話ガイドラインの策定以降、経済産業省より「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」(2017年策定、2018年改訂)、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)」(2019年)、「事業再編実務指針~事業ポートフォリオと組織の変革に向けて~」(2020年)、「社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)」(2020年)等の各種指針が続々と提示され、各企業がコーポレートガバナンスの実質性をより高めるよう促された時期といえよう。
 また、令和元年改正会社法が2021年3月1日から施行され、社外取締役の選任や取締役の報酬に関する規律はコンプライ・オア・エクスプレインのソフト・ローではなくハード・ローの世界に入ってきた。

[4]コード第3版および対話ガイドライン第2版(2021年)
 コード第3版は、第2版に5つの補充原則が追加された5つの基本原則・31の原則・47の補充原則の合計83原則から構成され、2021年6月11日から適用された。
 また同時に改訂された対話ガイドライン第2版は、「4.政策保有株式」と「5.アセットオーナー」が統合されて「4.ガバナンス上の個別課題」となったほか、サステナビリティに関する取り組みや内部通報制度、株主総会の在り方、株主と企業の対話の充実を含む8つの原則が追加され、4つの基本原則・30の原則から構成されている。
 コードに関する今回の改訂ポイントは、①取締役会の機能発揮、②企業の中核人材における多様性の確保、③サステナビリティを巡る課題への取り組み、④上記以外の主な課題(グループガバナンスの在り方、監査に対する信頼性の確保および内部統制・リスク管理、株主総会関係、事業ポートフォリオの検討等)の大きく4点に集約される。
 改訂の背景としては、「コロナ禍を契機とした企業を取り巻く環境の変化における持続的成長と中長期的な企業価値の向上の実現の後押し」、ならびに「2018年以降進められてきた東証の市場構造改革」が挙げられる。
 前者においては、「ダイバーシティ」(補充原則2-4①)、「サステナビリティ」(同3-1③)、「事業ポートフォリオ」(同5-2①)のように、従前は各社裁量に任されていた内容についても、ステークホルダーが理解しやすいような開示を要請されるようになった点が特徴である。このようなマネジメントイシューともいえるものがコーポレートガバナンスのテーマとして提示されたことで、「稼ぐ力の向上」に資する攻めの改革をより強く求められるようになったといえよう。
 後者では、東証において2022年4月4日に現在の市場区分を「プライム市場・スタンダード市場・グロース市場」の3つに見直すことが予定されている※6。中でもプライム市場は、「より高いガバナンス水準を備え、投資家との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」と定義されており、今回のコードでもプライム市場上場企業のみに適用される原則が6つ登場している(原則4-8、補充原則1-2④、3-1②、3-1③、4-8③、4-10①)
 プライム市場の企業群を、日本を代表する投資対象として位置づけ、競争原理を働かせることによってガバナンス水準を底上げしようという意図がうかがえる。

[5]小括
 以上、コードおよび対話ガイドライン改訂の歩みは、日本企業の「稼ぐ力の向上」を目的とし、コード第1版で「形式的整備」、コード第2版および対話ガイドライン第1版で「実質的対応」、コード第3版および対話ガイドライン第2版で「さらなる攻めの改革の後押し・水準の底上げ」がそれぞれテーマとなってきたと整理できる。
 当初の目的であった「稼ぐ力の向上」を振り返ると、伊藤レポート(2014年)※7で着目されたROE(自己資本利益率)は上昇傾向にあったものの、欧米企業との格差が依然残っている状態である。また、研究開発投資・IT投資・人材投資等の無形資産投資は低水準で推移し、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業の割合も変化しておらず、資本市場から日本企業の中長期的な企業価値向上に向けた取り組みに対して厳しい評価が与えられている※8
 一方、各企業の取り組みを振り返ると、例えば市場第一部で、原則の90%以上を実施している企業が9割近くに達する※9など、コードのコンプライ率は十分に高まっており、取り組みの「有無」には大きな差が見られなくなってきている。とすれば、多くの企業においては、「稼ぐ力の向上」に資するコーポレートガバナンス改革は道半ばであるとの認識に立ち、取り組みの「有無」のみならず「巧拙」までモニタリングされるという前提で、さらなる攻めの改革・水準の底上げを進めることが肝要であろう。
 こうした点を踏まえ、次に今回改訂の4つのポイントについて見ていこう(それぞれに関連する、コードおよび対話ガイドラインの番号を併せて示しているので、原本の記述も参照いただきたい)。

3.改訂のあらまし

[1]取締役会の機能発揮

コード:原則4-8、補充原則4-8③、4-10①、4-11①、5-1①

対話ガイドライン:3-2、3-5、3-6、3-7、3-8、4-4-1

 本項目は、フォローアップ会議の意見書(2020年12月)における「事業環境が不連続に変化する中においては、取締役会が経営者による迅速・果断なリスクテイクを支え重要な意思決定を行うとともに、実効性の高い監督を行うことが求められる」という指摘に基づき改訂されたものである。
 CEOが経営の助言を求めるため親しい友人らを取締役会に招いた「ボード1.0」、独立性の高い取締役が経営を見張る「ボード2.0」、経営陣と協力して戦略立案に責任を持つ人材を取締役会に招く「ボード3.0」という取締役会の発展段階に係る枠組みが提唱されて久しい※10が、コード・対話ガイドラインの各原則もその流れを後押ししているものだといえる。
 実際に、3分の1以上の独立社外取締役選任(原則4-8)および指名委員会・報酬委員会(補充原則4-10①)の設置状況※11については、
●3分の1以上の独立社外取締役選任:72.8%(市場第一部)/87.0%(JPX日経400)
●法定または任意の指名委員会の設置:66.3%(市場第一部)/88.0%(JPX日経400)
●法定または任意の報酬委員会の設置:70.3%(市場第一部)/89.5%(JPX日経400)
と既に実務に定着しており、もはやコンプライしていないと「悪目立ち」する状況であろう。
 また、いわゆるスキル・マトリックス(補充原則4-11①)についても、2021年3月期決算企業の約15%が株主総会招集通知に掲載※12しており、またTOPIX100企業では手元の集計で既に半数以上で開示されているところを見ると、今後実務に定着していく流れと思われる。
 取締役会全体として10名前後※13、そのうち社外取締役が3~4名を占める時代において、助言や監督を超えた戦略への関与も含む取締役会の在り方、取締役会の実効性評価や個々の社外取締役評価の在り方、取締役会のサクセッションプラン(ボードサクセッション)等、取締役会の機能発揮に向けてさらなる取り組みが必要である。

[2]企業の中核人材における多様性の確保

コード:補充原則2-4①

 本項目は、フォローアップ会議の「企業がコロナ後の不連続な変化を先導し、新たな成長を実現する上では、取締役会のみならず、経営陣にも多様な視点や価値観を備えることが求められる。(中略)取締役会や経営陣を支える管理職層においてジェンダー・国際性・職歴・年齢等の多様性が確保され、それらの中核人材が経験を重ねながら、取締役や経営陣に登用される仕組みを構築することが極めて重要である」という指摘に基づき新設されたものである。
 日本企業の取締役・経営陣においては、自国籍比率90%以上、女性比率5%未満、平均年齢60歳以上※14、「日本人・男性・高齢」が大多数を占める「多様性」とはかけ離れた状況となっている。
 そのような中、各企業において改めて自社における多様性の意義を検証の上、女性に限らず組織の人材プールをいかに多様化し、持続的成長と中長期的な企業価値の向上につなげるか、中長期的な人材戦略を検討していくことが求められている。

[3]サステナビリティを巡る課題への取り組み

コード:補充原則2-3①、3-1③、4-2②

対話ガイドライン:1-3

 本項目は、フォローアップ会議の「中長期的な企業価値の向上に向けては、リスクとしてのみならず収益機会としてもサステナビリティを巡る課題へ積極的・能動的に対応することの重要性は高まっている」という指摘に基づき新設されたものである。
 ESG投資の拡大に伴い、資本市場がショートターミズム(短期志向)からロングターミズム(長期志向)へと変化し、企業に対してサステナビリティを求める時代になってきている※15
 サステナビリティ達成のためには、各企業が短期的な経済価値の最大化から長期的な統合(経済・環境・社会)価値の最大化を目指す必要があり、そのために取締役会が自社の収益機会とリスクという観点から経営戦略の一環として検討を深めること、適切な開示を行うこと、特にプライム市場上場会社においては気候変動に関する開示について国際的に確立された枠組みであるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)またはそれと同等の枠組みで行うこと等が求められている。
 目下、経済産業省においても研究会が進行中であり、今後「価値協創ガイダンス」の改訂も含めた動向に対する注視が必要であろう。

[4]上記以外の主な課題

グループガバナンスの在り方
 コード:補充原則4-8③

監査に対する信頼性の確保および内部統制・リスク管理
 コード:補充原則4-3④、4-13③
 対話ガイドライン:3-10、3-11、3-12

株主総会関連
 コード:補充原則1-2④、3-1②
 対話ガイドライン:4-1-1、4-1-2、4-1-3、4-1-4

事業ポートフォリオの検討等
 コード:補充原則4-2②、5-2①
 対話ガイドライン:1-4、2-1、2-2

 これらの項目は、フォローアップ会議の「上場子会社において少数株主を保護するためのガバナンス体制の整備が重要」「中長期的な企業価値の向上を実現する上では、その基礎として、監査に対する信頼性の確保が重要」「株主総会での意思決定のためのプロセス全体を建設的かつ実質的なものとすべく、株主がその権利を行使することができる適切な環境の整備と、情報提供の充実に取り組むことが求められる」「コロナ禍により企業を取り巻く環境変化が加速し、不確実性も高まりを見せている中、事業セグメントごとの資本コストも踏まえた事業ポートフォリオの検討を含む経営資源の配分が一層必要」といった指摘に基づき新設・改訂されたものである。
 グループガバナンスや監査については「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」、事業ポートフォリオについては「事業再編実務指針」といった実務指針類の普及に向け、コードに反映がなされたものであるといえよう。
 また、株主総会関連における「英文開示」については、海外投資家へのアンケート調査で回答者の約6割が日英の情報量の差異や開示タイミング等に不満というデータ※16もあり、投資行動の阻害要因にならないよう注意が必要である。

4.おわりに

 本稿では、日本企業の「稼ぐ力の向上」を目的とし、「形式的整備」「実質的対応」「さらなる攻めの改革の後押し、水準の底上げ」の順に進んできたコードおよび対話ガイドラインの歩みを振り返った上で、今回の改訂ポイントを簡単に解説してきた。
 資金の出し手である債権者および株主に対して中長期的なリターンを行っていくことを宿命づけられている上場会社では、コーポレートガバナンス強化の取り組みを「余計なこと」ではなく「当たり前のこと」として捉え、その一つの指針としてコードおよび対話ガイドラインを読み解く態度が重要であろう。
 本連載を通読いただくことで、読者の皆さまがコーポレートガバナンスに関する自社としての考え方を改めて整理し、株主・投資家に対して自信を持って説明する一助としていただければ幸いである。

【本文注】

※1 東証「コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴う実務対応」(2021年4月作成、5月更新)

※2 金融庁「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ報告~上場会社等のコーポレート・ガバナンスの強化に向けて~」(2009年6月17日)

※3 内閣官房「『日本再興戦略』改訂2014-未来への挑戦-」(2014年6月24日)

※4 金融庁「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」(2015年3月5日)

※5 金融庁「コーポレートガバナンス・コードの改訂と投資家と企業の対話ガイドラインの策定について」(2018年3月26日)

※6 東証「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について」(2021年2月15日作成、2021年9月1日更新)

※7 経済産業省「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト最終報告書(伊藤レポート)(2014年8月)

※8 経済産業省「第1回サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」(2021年5月31日)

※9 東証「東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書2021」(2021年3月31日)

※10 直近の記事では、「企業統治、「戦略」に重み」(日本経済新聞社、2021年9月9日)等。例えば、東芝で「戦略委員会」の設置が発表(2021年7月31日)される等、日本企業の「ボード3.0」に向けた取り組みも見られる

※11 東証「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況」(2021年8月2日)

※12 時事ドットコムニュース 2021年6月29日記事

※13 マーサージャパンでTOPIX100企業の最新版コーポレートガバナンス報告書を集計したところ、取締役会人数の平均は11名、最小は5名、最大は18名であった。

※14 「日本企業のトップマネジメントチーム・取締役会改革の方向性」(商事法務『商事法務』第2253号、2021年2月5日)

※15 例えば、世界最大手の機関投資家である米ブラックロックでは、ラリー・フィンクCEOが投資先企業CEOに宛てた書簡にて、「貴社が顧客、従業員、地域社会に対して価値を提供する際に企業理念をより一層明確に示すことができれば、貴社は競争で優位に立ち、株主のためにより多くの長期的かつ持続的な利益を生み出すことができるようになります。」と投資先企業に対してサステナビリティを期待している(BlackRock「BlackRock's 2021 letter to clients」)

※16 東証「英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果」(2021年8月30日)

河本裕也 かわもと ゆうや
マーサージャパン株式会社 組織・人事変革コンサルティング部門
役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティス シニアマネージャー

リクルート(新卒採用担当)、コーン・フェリー・ヘイグループ(組織戦略・人事改革コンサルタント)を経て現職。マーサーでは、役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスのコアメンバーとして、役員報酬制度設計やサクセッションプランニングの設計支援、指名報酬委員会アドバイザリー等を中心に活動。東京大学教育学部卒業。