公務災害、業務負荷を考慮 脳・心臓疾患で人事院

 

 人事院は15日、国家公務員の労災に当たる公務災害について、過労死を含む脳・心臓疾患に関する公務災害認定の判断指針を改正し、各省庁に通知した。残業時間がいわゆる「過労死ライン」に達していなくても、業務の負荷を総合的に判断して認定することが柱。厚生労働省が、民間を対象とした労災認定基準を20年ぶりに改正したのに合わせた。

 自治体の職員に関しても、地方公務員災害補償基金が人事院通知に準拠して運用することになるという。

 新指針では、残業時間が発症前の直近1カ月間で100時間、2~6カ月平均で80時間という「過労死ライン」は維持。その上で、この水準に至らなくても、業務の負荷を総合的に判断することを明記した。

 負荷の重さを判断する着眼点として、発症前1週間に深夜を含め日常業務以上の継続的な勤務があったかどうかや、終業から次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」が短いことなどを挙げた。

 人事院によると、2010年度以降、一般職の国家公務員が脳・心臓疾患で公務災害と認定されたのは32件。うち亡くなったのは17件だった。

(共同通信社)