厚生労働省は14日、過労死を含む脳・心臓疾患の労災認定基準を2001年以来、20年ぶりに改正し、全国の労働局長に通知した。新たな基準では、残業時間がいわゆる「過労死ライン」に達していなくても、勤務が不規則であるなど労働時間以外の負荷がある場合は認定されやすくなる。
これまでの基準では、脳出血や心筋梗塞などの脳・心臓疾患を発症する前の残業時間を重視。残業時間が発症前2~6カ月の平均で月80時間、直近1カ月間で100時間が「過労死ライン」とされ、これらを超えた場合は業務と発症との関連性が強いとみなされ、認定される可能性が高まる。
厚労省は専門家検討会が7月にまとめた基準改正についての提言を受け、過労死ラインの水準自体は維持する一方、過労死ラインに達しなくても、それに近い働き方をしている場合は、労働時間以外の負荷が一定程度あれば認定できるとした。
労働時間以外の負荷として、出張の多い業務や身体的負荷を伴う業務、終業と次の始業までの「勤務間インターバル」が短い勤務などを挙げた。
(共同通信社)