森永子会社に賠償命令 内部通報後の降格処分巡り

 

 森永乳業子会社の洋菓子製造業「シェフォーレ」(千葉県八千代市)の男性社員2人が、ハラスメントに関する内部通報をした後、懲戒や降格の処分を受けたのは不当として、両社などに約1千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、千葉地裁は8日、シェフォーレに計約200万円の賠償を命じた。森永乳業の責任は認めなかった。

 判決によると、2人は2015年2月、内部通報制度を利用して社内のハラスメント問題を告発。その後、減給を伴う降格処分を受けた。1人は他の従業員と隔離された部屋で産業廃棄物の処理や草刈りの業務を担当させられた。

 判決で高取真理子裁判長は、降格処分が「(内部告発に対する)制裁や、退職に追い込もうとするなどの不当な目的で発せられた」として人事権や懲戒権の乱用に当たり、無効と判断した。「勤務状態に怠慢があった」などとするシェフォーレ側の主張を退けた。

(共同通信社)