公開日 2021.8.25 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)
ジョブ型研究インターンシップ(じょぶがたけんきゅういんたーんしっぷ)
学生が企業または大学と雇用契約を締結し、特定されたテーマの研究開発業務などを行う研究インターンシップ。「優秀な大学院学生が安心して博士課程への進学を選択できる環境を整えること」「今後拡大が見込まれるジョブ型採用を見据え、産業界と大学が連携して大学院教育を行い、国際競争に耐え得る研究力に裏打ちされた実践力を養成すること」などを目的として、産学協働で先行的・試行的実施に向けた検討が行われている。
文部科学省高等教育局「ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)実施方針(ガイドライン)」(2021年5月21日策定)では、以下の要件をすべて満たすものと定義している。
(1)研究遂行の基礎的な素養・能力を持った大学院学生が対象※
※当面の間、博士課程学生であって、学生の専攻分野は自然科学系を対象とし、修士課程学生については、引き続き検討とする
(2)長期間(2カ月以上)かつ有給の研究インターンシップ
(3)正規の教育課程の単位科目として実施
(4)ガイドラインに沿ったジョブディスクリプション(業務内容、必要とされる知識・能力等)を提示
(5)インターンシップ終了後、学生に対し面談評価を行い、評価書・評価証明書を発行
(6)インターンシップの成果は、企業が適切に評価し、採用選考活動に反映することが可能
ジョブ型研究インターンシップの契約形態としては、「企業が学生と雇用契約を締結する形態」と「企業・大学間の共同研究契約下で大学が学生と雇用契約を締結する形態」の2類型がある。
また、ジョブ内容による分類として、次の3類型を想定している。
①テーマ探索型:企業・大学からはインターンシップ募集時に学生に研究開発テーマを具体的に提示せず、学生が新しい研究開発テーマ※を提案・探索するもの
②テーマ付与型:企業・大学がインターンシップ募集時に学生に研究開発テーマ※を提示するもの
③研究開発支援型:企業・大学はインターンシップ募集時に学生に特定の研究開発支援業務※を提示
※研究開発テーマ、研究開発支援業務の内容については、開発関連業務などを含め学生の研究経験が生かせる業務を柔軟に付与する
文部科学省は、ジョブ型研究インターンシップの先行的・試行的実施に向けた準備を進めており、早ければ2021年11月にも最初のインターンシップが実施される見込みである。