2021年06月28日  共同通信社

保険料免除期間は年金半減 10年以内に追納可能

 

 2020年度末時点で国民年金の保険料納付を全額免除または猶予されている人は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、前年度から26万人増えて過去最多の609万人に上った。将来受け取る年金額のうち、全額免除期間の金額は、全額を納付した場合に比べて半減するが、10年以内に追納すれば本来の額を受け取ることができる。

 保険料を免除されるかどうかは前年の収入に基づき判断される。厚生労働省は昨年、新型コロナを踏まえた特例措置を設け、通年でなく直近1カ月の収入が大幅に減少した場合でも、年額に換算し、要件に該当すれば免除されるとした。例えば単身世帯では年間所得57万円以下が全額免除の対象になる。

 国民年金には自営業者や学生らが加入。今年3月末までに全額または一部免除、猶予が承認されたのは計約32万件に上った。

 一方、20年度の納付率は前年度比2・2ポイント増の71・5%で、9年連続で上昇。全額免除・猶予者らを含めると実質的な納付率は40・7%だった。

(共同通信社)