二審も前貫主の請求棄却 善光寺大勧進、東京高裁

 

 善光寺(長野市)を共同運営する天台宗寺院「大勧進」トップの貫主だった小松玄澄氏が、大勧進を相手取り、貫主の地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(石井浩裁判長)は24日、一審長野地裁判決に続き小松氏の請求を棄却した。

 判決などによると、小松氏は女性職員に差別的な発言やセクハラをしたなどとして信徒らに罷免を求められ、2017年12月、天台宗に辞任願を提出した。翌18年2月、辞任願を撤回する文書を送付したが、天台宗は認めず、同3月末で解任された。

 小松氏側は「辞任願は何者かが偽造したものだ」と主張したが、高裁は一審同様、辞任願は小松氏が自筆で作成したもので有効だと認定。「撤回は信義則に反して許されない」とした。

 善光寺は天台宗の大勧進と浄土宗の大本願が共同運営し、大勧進貫主と大本願上人が善光寺の住職を兼ねている。

(共同通信社)