東京都世田谷区立幼稚園で非正規の臨時職員だった女性(49)が解雇の無効などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、幼稚園側が「長期にわたる職務の継続を期待させるような言動をしていた」として、区に慰謝料20万円の支払いを命じた。解雇無効は認めなかった。
判決などによると、女性は2011年から約5年4カ月にわたって事務補助職員として週2、3回勤務。ところが契約文書では奇数月は女性、偶数月は同僚が働いたことになっていた。三木素子裁判長は勤務実態と契約内容が長期間、懸け離れていたとし「社会的非難を免れない」と指摘した。
原告の代理人弁護士は同日記者会見し、区が書類上隔月勤務としたのは、臨時職員として働かせ続けるための「脱法的な方法」だと主張。「判決で『無責任だ』と断罪されたことは評価したい」と話した。
ただ、判決は勤務を続けられるという期待権を侵したことに対する慰謝料しか認めず、原告の女性は「偶数月は何だったのかと思う」と無念さをにじませた。
区は「主張が大部分認められたものと考えている。判決文の内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを発表した。
(共同通信社)