厚生労働省の労働政策審議会部会は18日、飲食店の料理などを自転車で宅配する配達員や、フリーランスで働くIT人材について、企業に雇用されない個人事業主でも労災保険に入れる「特別加入制度」の対象に加える省令案の要綱を了承した。9月から運用が始まる。
厚労省によると、個人事業主の自転車配達員は、業界団体の推計で約9万人。生活様式の多様化や、新型コロナウイルス禍などで宅配事業の需要は拡大しているが、走行中の事故など配達員の労働災害が懸念され、ウーバーイーツや出前館など業界大手でつくる団体が特別加入を要望した。
ITのフリーランスは推計17万~25万人。業界団体は、過重労働による脳・心臓疾患や、ストレスが原因の精神疾患を訴える人が多いと指摘する。
労災保険は原則、雇用労働者が対象。建設業の一人親方など、働き方が労働者に近い人については、特別加入が認められれば自身で保険料を払うことで補償が受けられる。今年4月には、芸能従事者とアニメーション制作従事者、柔道整復師の3業種が追加された。
(共同通信社)