懇親会くじ、セクハラ認定 役員との食事、映画強いる


 日本文化発信を目指す官民ファンド「クールジャパン機構」の元派遣社員の30代女性が、懇親会で男性役員の同伴を強いるくじを引かされ、精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は13日、一審東京地裁判決に続き、くじをセクハラと認めて機構の元最高投資責任者(CIO)に5万円の支払いを命じた。
 判決によると、元CIOは2016年7月、懇親会に参加した女性従業員に「当たり!!ワインディナーwith 監査役」「映画with CIO」などと書いたくじ複数枚を引かせた。
 北沢純一裁判長は、女性側がくじ引きを拒否するのは事実上困難だったとし「くじは業務外に長時間にわたる男性役員の同伴を必須条件としており、違法だ」と述べた。
 一審判決は、駅のホームで女性の肩に手を回すセクハラ行為をしたとして、別の元幹部にも5万円の賠償を命じたが、高裁は「女性が被害を訴えたのが1年以上後で不自然。目撃していた複数の社員からも、セクハラがあったとの証言はなかった」として取り消した。
(共同通信社)