元監督セクハラに賠償増額 高裁「絶対的な地位利用」


 東京富士大(東京都新宿区)の女子ソフトボール部元部員の20代女性が、在学中に当時監督だった70代の男性からセクハラを受けたとして、約1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、元監督と大学に約79万円の賠償を命じた一審東京地裁判決を変更し、約112万円の支払いを命じた。
 岩井伸晃裁判長は一審同様、元監督が自らの絶対的地位を利用してセクハラ行為に及んだと指摘。発覚後、女性側に非があったとする内容を他の部員に話すなどしたため「女性はさらなる精神的苦痛を被った」と述べ、慰謝料を増額した。
 判決によると、元監督は2016年5月、女性を監督室に呼び出し、服の上から胸を触ったり、抱きついたりした。女性に「赤い糸でつながっている」「2人のことは誰にも言うな」などと話し、その後も複数回のセクハラ行為をした。
 女性は判決後「口止めされ、逃げられない状況だった。許すことはできない」と話した。
(共同通信社)