厚生労働省は19日、電子情報でやりとりするお金「デジタルマネー」を使った賃金の支払いを巡り、安全性を担保することを要件とした上で、支払いを可能とする制度の骨子案を労働政策審議会分科会に示した。労働者の合意を前提とする。政府の規制改革推進会議は2021年度中に制度の内容を固めることを目指している。
ただ、分科会ではこれまで安全性への不安の声が相次いでおり、19日の分科会でも厚労省のチェックで十分に安全性が担保されるか懸念する意見が出た。支払いはスマートフォンの決済アプリなどによる方法が想定され、確実に労働者に賃金が支払われる仕組みづくりが求められる。
骨子案では、破綻時の債務保証や不正引き出しがあった際の損失補☆(土ヘンに眞)があることを要件に、厚労省が決済サービスを提供する資金移動業者を指定する。現金自動預払機(ATM)の利用を可能にし現金で受け取れるようにも求めた。
労働基準法では、賃金の支払い方法として労働者の同意があれば、銀行口座への振り込みなども認められている。決済アプリなどによる支払いを実現するためには、省令改正が必要となる。
(共同通信社)