厚生労働省の元職員の男性(33)が2017年にうつ病を発症したのは、当時の上司から職場で「つぶしてもいいの?」といった暴言を繰り返し受けるパワーハラスメントが原因だったとして、今月2日に公務員の労災に当たる「公務災害」と認定されたことが26日、分かった。男性が取材に明らかにした。上司は職場で被害相談に乗る「パワハラ相談員」だったという。
厚労省は「個別の案件については答えられない」としている。男性によると、厚労省側から上司を近く懲戒処分する見通しを伝えられたという。
男性は17年4月、厚労省の総合的な政策決定や評価を担う「政策統括官」に異動。直後から上司の男性室長補佐の暴言や無視などが始まった。男性は同月下旬に不安障害やうつ病を発症し、その後も勤務を続けたが、症状が悪化して18年12月に休職。20年3月に退職した。
男性は当時、外部通報窓口や産業医にも相談し「パワハラに当たる可能性が高い」と言われたが、省内の担当課は対応に後ろ向きだったと指摘。残業時間が月120時間を超えるなど、長時間労働も常態化していたといい「民間企業を指導する立場の厚労省がパワハラや過重労働を放置するのは許されない」と訴えた。
(共同通信社)