中途採用比率

公開日 2021.3.24 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

中途採用比率(ちゅうとさいようひりつ)

 1年間(1事業年度)に雇い入れた正規雇用労働者数に占める、中途採用された正規雇用労働者数の割合。労働施策総合推進法の改正により、2021年4月1日から、常時雇用する労働者が301人以上の企業は、求職者が容易に閲覧できる形で、「直近の3事業年度の各年度について、採用した正規雇用労働者の中途採用比率」を公表することが義務付けられている。この制度は、「労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備を推進すること」を目的としている。

 ここでいう「中途採用」とは、「新規学卒等採用者以外」の雇い入れを指す。なお、「新規学卒等採用者」とは、下記を条件とした求人により雇い入れられた者をいう。

(1)新たに学校・専修学校を卒業した者

(2)職業能力開発促進施設(職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、障害者職業能力開発校)、職業能力開発総合大学校の行う職業訓練を修了した者

(3)これに準ずる者(既卒者であって、新規学卒者と同じ採用枠で採用した者など、新規学卒者と同等の処遇を行う者)

 公表は、おおむね1年に1回以上、インターネットの利用やその他の方法(事業所への掲示や書類の備え付けなど)により、求職者が容易に閲覧できるように行わなければならない。インターネットを利用する場合は、原則として自社のホームページへ比率を掲載することとしているが、厚生労働省がインターネット上に開設する職場情報総合サイト「しょくばらぼ」を利用することも可能である。