2021年03月22日  共同通信社

手当不支給で一部賠償命令 JA全農グループ会社に

 
 全国農業協同組合連合会(JA全農)グループの飼料生産会社「科学飼料研究所」に勤務していた嘱託社員ら15人が、一般職正社員と同じ業務内容なのに手当や賞与を支給されないのは違法だとして、同社に約1億4千万円の賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁姫路支部は22日、住宅手当など一部の不支給を違法と認定し、原告のうち3人に対する計約190万円の賠償を命じた。
 15人は兵庫県たつの市の龍野工場で嘱託社員のほか、年俸制正社員、無期転換社員として勤務。浅井隆彦裁判長は判決理由で、住宅手当や家族手当について「生活費を補助する趣旨のものだ。生活費の増加は嘱託社員と一般職正社員で変わらず、全く支給しないのは不合理だ」として、嘱託社員としての勤務実績がある原告3人に対してのみ支払いを命じた。年俸制正社員などほかの12人については「雇用契約上の地位が異なり、同一労働同一賃金を定めた規定が見当たらない」などとして認めなかった。
 一方、賞与については「一般職正社員と嘱託社員は職務に一定の相違があり、嘱託社員に賞与を支給しないのは不合理には当たらない」などと判断し、15人とも請求を退けた。
 賞与や住宅手当などの支払いを求めた原告の男性(64)は、判決後の記者会見で「全く納得できない判決だ」と話した。原告側は控訴する方針。
(共同通信社)