テレワーク非正規区別禁止 厚労省案、長時間対策も

 

 厚生労働省は4日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークを取り入れる企業を対象にした新たな指針案を労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会に示した。非正規労働者だけテレワークを認めないなど雇用形態の差を理由とした区別を禁止。長時間労働対策として、休日や時間外に働ける範囲を事前に労使で取り決めるよう推奨した。

 月内にも全国の労働局に通知する。テレワークの普及を受け、同省が指針の改定を進めていた。

 指針案はテレワークを「『新しい生活様式』に対応した働き方」と明記。原則として労働者の合意が必要で、新入社員や転職したばかりの従業員は業務に不慣れなため、配慮が必要と定めた。

 出勤とテレワークの間で仕事量や人事評価に差をつけることを禁止。業務に使うパソコンなどの物品や通信費は、従業員の負担が過度にならないよう、就業規則で扱いを規定するよう求めた。

 テレワークは柔軟に働くことができる利点を持つが、長時間労働を招きやすい側面もある。パソコンの起動時間や従業員の自己申告といった簡易な労働時間把握を企業に認めたが、職場からの連絡ルールや社内システムにつながる時間を決めておくなどの対策を促した。

 テレワークに関しても、企業は労災防止対策を取る必要がある。上司が部下に対し、画面越しに部屋を見せるよう求める事態も起きており、ハラスメント対策の徹底も盛り込んだ。

(共同通信社)