昭和大藤が丘病院(横浜市青葉区)の看護師だった女性(61)が、上司の看護師長からパワハラを受け病気になったとして、大学に約2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は3日、看護師長の威圧的な言動と発症との因果関係を認め、約600万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2015年3月、通勤中の電車内で急病人を救護し、出勤が遅れた。電話で別の上司に伝えていたが、看護師長から「責任者の私に連絡しなさい」と怒鳴られた。女性はその後、胸の痛みを訴えて倒れ、心臓疾患と診断された。心的外傷後ストレス障害(PTSD)も発症した。
中吉徹郎裁判長は「看護師長は事情を聴かず威圧的に☆(口ヘンに七)責し、非常に大きな心理的負荷を与えた。業務上必要な範囲を逸脱し、極めて不適切だ」と指摘した。看護師長の言動を放置した大学には、安全配慮義務違反があるとした。
判決は、看護師長が女性に対し、やむを得ない理由以外では、有給休暇の取得を認めていなかったことも認定し「休暇制度の趣旨を無視する対応で、精神的負荷を与えた」とした。
昭和大は「判決内容を精査中だ」としている。
(共同通信社)