昇降機で転倒、賠償命令 日本郵便に1400万円


 名古屋南郵便局(名古屋市)で配達に出ようとした際、トラックに荷物を積み込む昇降機付近を通行中、動きだした昇降機に足を取られて転倒しけがをしたとして、元女性従業員(65)が日本郵便に約4200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は26日、約1400万円の支払いを命じた。
 前田早紀子裁判官は判決理由で、同局の職員は局内から駐車場に最短ルートで出る際、昇降機付近を通ることがあったと指摘。「会社は昇降機を使うトラックがある場合、職員が通行しないよう事故を防ぐ義務があった」と判断した。
 一方で、女性も同局に長年勤務し、昇降機が動くと危険なことを認識していたとして、損害の認定額を半分にした。
 判決によると、女性は2017年12月、同局の発着場で上昇した昇降機に足を取られて転倒。脊髄損傷や頭部打撲のけがを負い、労災認定された。名古屋南労働基準監督署は18年3月、同局に対し、場内に労働者が使う安全な通路がなかったとして是正勧告した。
 日本郵便は「判決文が届いておらず、コメントは差し控える」とした。
(共同通信社)