障害配慮、企業に義務付け 3年以内、差別解消法案

 

 政府が今国会提出を目指す障害者差別解消法改正案の全容が24日、分かった。障害者の移動や意思疎通をできる範囲で支援する「合理的配慮」の提供を企業に義務化。法律の公布日から3年を超えない日に施行するとした。3月上旬に閣議決定し、今国会での成立を図る。

 合理的配慮は、車いすの人が段差のある場所を移動する際にスロープを設けたり、聴覚障害者との意思疎通で筆談を使ったりする対応を取ること。費用や人手が負担になり過ぎない範囲で行う。2016年施行の同法では、国や自治体に配慮を義務付けたが、企業は努力義務にとどまっていた。

 改正案の取りまとめを巡っては、障害者団体が早期の施行を要望。新たな対応が求められ負担になりかねない企業側は、慎重姿勢を示していた。内閣府は法成立後、業界ごとの指針を見直すなど環境整備に一定期間が必要と判断。改正法の公布日から「3年を超えない範囲内において政令で定める日」に施行することとした。施行日は現時点では未定。

 改正案はこのほか、差別解消に向けた施策が促進されるよう、国と自治体に対し相互連携の責務を追加した。行政が差別に関する相談に応じる人材を育成し、確保することも明確化した。

(共同通信社)