トヨタ元従業員の請求棄却 「解雇権乱用に当たらず」


 トヨタ自動車の期間従業員だった三重県の男性(53)が、トヨタ自動車労働組合を脱退して別の労組に加入したことを理由に、雇用契約の更新を拒否されたのは不当として、希望していた雇用期間の賃金や慰謝料計約300万円の支払いを同社に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁岡崎支部は24日、請求を棄却した。
 藤野美子裁判官は判決理由で「トヨタはトヨタ労組を脱退しても、他の労組に加入したとの通知があった場合、解雇の対象にしていない」とした上で、加入先の労組が男性加入の事実を期間内に書面で同社に告知していなかったと指摘。「雇い止めは解雇権の乱用に当たらない」と判断した。
 判決などによると、男性は2015年9月に期間従業員となり、入社半年後からは6カ月の契約を4回更新。18年3月にトヨタ労組を脱退すると、同月末に契約期間満了で退職した。トヨタとトヨタ労組は、同労組への加入を雇用条件とする「ユニオン・ショップ協定」を結んでいる。
(共同通信社)