2021年02月10日  共同通信社

休業支援昨春以降を適用 政府検討、大企業非正規に 安易な負担助長と指摘も

 

 政府、与党は10日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、休業手当を受け取れなかった労働者向けの休業支援金・給付金を巡り、新たに対象とした大企業非正規労働者の一部に関し、対象期間の始点を昨春までさかのぼる検討に入った。現行では緊急事態宣言再発令後の1月8日以降が対象。

 昨年4月の緊急事態宣言や、昨秋以降の自治体による飲食店などへの時短要請を踏まえ、地域の事情に応じ具体策の調整を進める。昨春からの全期間を対象とせず、期間を区切り適用する可能性がある。休業支援金には、企業が本来出すべきお金を、政府が安易に負担する流れを助長するとの指摘もある。

 政府は雇用情勢の悪化に対し、休業手当を補塡する雇用調整助成金の活用を軸に企業の対応を促し、そのために上限額引き上げなどを進めてきた。自民、公明の両党は、地域の事情を考慮した見直しを進めるよう要求し、政府内では、昨秋からの分に適用する案が浮上していた。

 政府は感染拡大に伴う雇用情勢の悪化に対応するため、昨年6月に休業支援金の制度を新設。労働者が直接申請し、日額上限1万1千円で賃金の8割を補償する。

 自民党の雇用問題調査会(松野博一会長)は10日、休業支援金の拡充などを盛り込んだ政策提言を田村憲久厚生労働相に出した。公明党も同様の提言をした。

 両党の提言では雇用調整助成金の助成水準とのバランスを十分に踏まえるよう求めた。

(共同通信社)