アカデミックハラスメントを理由に受けた停職6週の処分は不当として、愛知教育大(愛知県刈谷市)の林剛一教授(60)が、大学に処分の無効確認や慰謝料を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は27日「手続きに重大な違反がある」として処分を無効とし、停職中の賃金計約85万円を支払うよう大学に命じた。
井上泰人裁判長は判決理由で「懲戒処分の手続きとして、大学の就業規則などに定められた教授会の審議を経なかった」と指摘した。
教授は違法な処分で精神的苦痛を被ったとして慰謝料300万円も請求していたが、井上裁判長は「大学が処分理由とした行為はアカハラに該当するか、教育指導として適切さを欠く」として退けた。
判決によると、教授は2017年5月~18年5月、声楽の授業で発音を間違った学生に罰金100円を要求したり、強く怒鳴ったりしたとして、19年2月に停職処分を受けた。
教授は「大学の対応が一方的だったため提訴した。学生をひどく☆(口ヘンに七)った点は反省している」と話した。大学は「判決の詳細が分からず現時点ではコメントできない」とした。
(共同通信社)