リボルビングドア

公開日 2021.1.20 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

リボルビングドア(りぼるびんぐどあ)

 官公庁と民間企業との間で人材が流動的に行き来する仕組み。リボルビングドアとは、「回転扉」を意味する。官公庁は、特定分野における専門知識・技術を保有する人材を必要なときに調達できること、民間企業は、豊富な職務経験や人脈を持つ人材を活用できることから、双方にとってメリットがあるといわれている。
 アメリカでは、政府と民間の研究機関などとの間での人材の行き来が活発に行われており、リボルビングドアが浸透している。日本でも、公的機関が民間企業の従業員を出向などの形で一時的に受け入れること、あるいは民間企業が定年退職後の公務員を要職として迎え入れることなどが行われているが、リボルビングドアは、一人の人間が官民間での行き来を繰り返すという点で、それらの人材交流とは異なっている。
 2021年9月に設立される「デジタル庁」では、職員500名程度のうち100名超を民間人から採用することを公表しており、日本におけるリボルビングドアの先駆けになるものといわれている。一方で、日本においてリボルビングドアが浸透していくためには、「終身雇用慣行が根強く残る中で、優秀人材の流動化を図るためにはどうすればよいのか」あるいは「官公庁が優秀人材を登用する場合の待遇をどうするのか(例えば、公務員の人事制度を適用するのか)」など、解決するべき課題が多々あることも指摘されており、今後の動きが注目されている。