密回避、テレワーク再要請 緊急事態、1都3県で目標

 

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令対象となる東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県が自宅などで仕事をする「テレワーク」の強化を求めている。各地で従業員の5~6割以上などの目標を設定。昨年春の発令時に職場の「密」回避策として広く実施されながら徐々に後退し、首都圏の通勤電車はなお一部で混雑が続く。

 東京商工会議所によると、昨年5~6月の調査では67・3%の企業が実施したが、昨年9~10月には53・1%に。企業から「営業は取引先との細かいすり合わせが必要なため、オンラインは難しい」などの声が出た。

 JR東日本によると、山手線の平日朝の利用客数を昨年2月初めと比較すると、昨年4、5月は30~40%ほど。6月中旬からはおおむね60%を超え、70%に達した週もあった。「テレワーク縮小や通学の再開などが考えられる」と説明する。

 東京都の目標は「週3日、社員の6割以上」。ホテルをテレワーク用オフィスとして利用する企業への補助金支給などの施策で導入を促す。

 神奈川県は県内の事業者に5割実施を目標とするよう要請した。昨年の緊急事態宣言下での実績と同等に設定し、今回も実現可能と見込む。黒岩祐治知事は5日の記者会見で「高すぎる目標ではない。通勤の『密』や職場での感染回避を徹底してほしい」と求めた。

 埼玉県の目標も県内企業での導入率5割。関連機器の購入費を最大20万円補助する事業や、導入を検討する企業にアドバイザーとして中小企業診断士らを派遣する事業を既に実施した。大野元裕知事は5日の会見で「心苦しいがご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 千葉県は県内企業の6割を目標とし、県の担当者は「昨年に一時導入しても今は取りやめた企業が多い。改めて徹底を求める」と説明。県には企業側から「適した業務がない」などの相談があり、専門家や国の相談窓口を紹介しているという。

(共同通信社)