特定求職者雇用開発助成金

公開日 2020.12.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

特定求職者雇用開発助成金(とくていきゅうしょくしゃこようかいはつじょせいきん)

 高年齢者や障害者など、就職が困難な者の雇用の開発促進を図るために、これらの者を雇い入れる事業主が一定の要件を満たす場合に、国が助成金を支給する制度。2020年12月20日時点で、次の七つのコースがある。

(1)特定就職困難者コース
 高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる事業主に対して、対象労働者の類型と企業規模に応じて、1人当たり下表の額を支給する。

対象労働者 支給額 助成対象期間
短時間労働者以外 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 60万円
(50万円)
1年
(1年)
重度障害者等を除く身体・知的障害者 120万円
(50万円)
2年
(1年)
重度障害者等 240万円
(100万円)
3年
(1年6カ月)
短時間労働者 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 40万円
(30万円)
1年
(1年)
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 80万円
(30万円)
2年
(1年)

[注]1.( )内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間。

2.支給対象期ごとの支給額は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額を上限とする。

(2)生涯現役コース
65歳以上の高年齢者を雇い入れる事業主に対して、短時間労働者以外の者として雇用する場合は70万円(中小企業以外は60万円)、短時間労働者の場合は50万円(同40万円)を支給する(ただし、対象期間は1年で、対象労働者に支払った賃金額を上限とする)。

(3)被災者雇用開発コース
東日本大震災における被災離職者等を雇い入れる事業主に対して、短時間労働者以外の者として雇用する場合は60万円(中小企業以外は50万円)、短時間労働者の場合は40万円(同30万円)を支給する(ただし、対象期間は1年で、対象労働者に支払った賃金額を上限とする)。

(4)発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
発達障害者や難治性疾患患者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して、短時間労働者以外の者として雇用する場合は120万円(中小企業以外は50万円)、短時間労働者の場合は80万円(同30万円)を支給する(ただし、対象労働者に支払った賃金額を上限とする)。

(5)障害者初回雇用コース
障害者を初めて雇い入れる、常用労働者数が45.5~300人の事業主に対して、120万円を支給する(雇い入れ日翌日から起算して3カ月後の日までに法定雇用率を達成することなどの要件あり)。

(6)就職氷河期世代安定雇用実現コース
就職氷河期に正規雇用の機会を逃したことなどにより、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を正規雇用労働者として雇い入れる事業主に対して、対象労働者1人につき60万円(中小企業以外は50万円)を支給する(ただし、対象労働者に支払った賃金額を上限とする)。

(7)生活保護受給者等雇用開発コース
自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる事業主に対して、短時間労働者以外の者として雇用する場合は60万円(中小企業以外は50万円)、短時間労働者の場合は40万円(同30万円)を支給する(ただし、対象期間は1年で、対象労働者に支払った賃金額を上限とする)。