男性の育児休業取得推進を巡り、厚生労働省は14日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会で、子どもが生まれる従業員一人一人への育休取得の働き掛けを企業に義務付ける案を示した。上司や会社からの働き掛けがあれば育休を取りやすいとされており、労使ともに大きな反対はなかった。年明けにもまとめる報告書に盛り込まれる見通し。
同省案によると、義務付けの対象は性別を問わず、現在の努力義務を引き上げる形で実施。上司による個別面談での説明や、制度や取得条件をまとめた書面の配布などを想定している。メール配信や社内掲示板への掲載など多様な周知方法を認める方針で、今後厚労省が指針などの形で具体例を示す。
労働側委員が求めていた従業員が実際に取るかどうかまでの確認は、従業員が答えない場合に企業が罰せられる可能性もあるとして導入を見送った。
また新設が決まっている妻の出産に合わせて夫が休めるようにする「男性版産休制度」は、分割の上限回数を4回から2回に変更するなど企業負担に配慮した。
同日開かれた政府の全世代型社会保障検討会議でも菅義偉首相が義務付け方針を指示していた。
(共同通信社)