高校講師雇い止め無効判決 和歌山、2千万円命じる

 
 和歌山南陵高(和歌山県日高川町)の講師だった男性(53)が雇い止めされたのは不当だとして、同校を運営する学校法人南陵学園(静岡県菊川市)に雇用契約の確認などを求めた訴訟の判決で、和歌山地裁は4日、雇い止めは無効だと認め、未払い賃金など計約2千万円の支払いを命じた。
 伊丹恭裁判長は、男性が面談に遅刻したことを雇い止めの理由として法人が重視したことについて「合理的な理由を欠き、社会通念上相当とは認められない」とした。
 判決によると、南陵高は2016年4月に開校。男性は前年の15年6月に雇用契約を結び、同7月以降、開校準備や野球部への生徒勧誘などの業務に従事した。同12月に菊川市の法人本部で学園長と面談するよう指示されたが、当日遅れて到着。面談を受けることができず、その翌日、16年3月末での雇用打ち切りを言い渡された。
 判決後、男性は「自分の考えや世間の常識が正しいと司法が判断した。うれしい」と話した。
 法人の代理人弁護士は「判決文を見ていないのでコメントを差し控える」としている。
(共同通信社)