徳島大に11万円賠償命令 前薬学部長のパワハラ訴訟

 

 徳島大(徳島市)の前薬学部長からパワハラ発言などを受け、うつ病を発症したのに適切な措置を取らなかったとして、同学部の男性准教授が大学に慰謝料など330万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁(片田信宏裁判長)は25日、請求を棄却した一審徳島地裁判決を変更し、大学に11万円の支払いを命じた。

 判決によると、2014年4月14日、研究室の学生の募集人数を巡るやりとりで、当時の薬学部長だった教授が准教授に「あんたは非常識だ」「早くどこかの職を探して、ここを出て行けばいいじゃないですか」など厳しい語調で非難した。

 片田裁判長は判決理由で「職務上の地位などを背景に人格と尊厳を侵害する言動で、違法な行為だ」と指摘。国家賠償法上、大学が賠償責任を負うとした。

 徳島大は「判決文が届いていないので、現時点で具体的なコメントは差し控える」としている。

(共同通信社)