トヨタグループの研究機関「豊田中央研究所」(愛知県長久手市)の社員だった女性が同社に解雇の無効を求めた訴訟の差し戻し審で、名古屋地裁は24日、「解雇に合理的な理由があった」として請求を棄却した。名古屋高裁が今年5月、訴訟手続きに違法な点があったとして、請求を棄却した一審名古屋地裁の判決を取り消し、地裁に審理を差し戻していた。
高木博巳裁判官は判決理由で「会社の継続的な指導と段階的な処分にもかかわらず、女性は自己の主張に固執して指示された業務をかたくなに拒み続けた。人間関係を原因とした異動も繰り返していた」と指摘。「解雇は社会通念上相当である」と結論付けた。
判決によると、同社は2017年3月「協調性を欠いている」などとして女性を解雇。女性は理不尽な業務を課され、上司からは暴言を吐かれたと主張し、19年3月、弁護士を立てず本人訴訟で提訴した。
二審判決は、一審では女性が同社側の主張を記した準備書面を受け取ってから3日ほどで、地裁が弁論終結を宣言したため、女性が反論の準備をできなかったと指摘。「女性の正当に訴訟する権利を害したと言わざるを得ず、訴訟手続きに法律違反がある」として、審理を差し戻していた。
女性は「不当解雇だと思っており、控訴する」と話した。
(共同通信社)