政府は19日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた雇用調整助成金の特例措置について、年明け以降も1日当たりの上限額や助成率の水準を維持する方針を固めた。当初は来年1月からの段階的な縮小を予定していたが、11月に入って国内の1日当たりの感染者が過去最多を更新。雇用情勢も回復の兆しが見通せないため、特例縮小を先送りすることにした。
政府は8月、9月末までだった特例を12月末まで延長し、来年1月からは段階的に縮小する方針を発表していた。維持する期限については来年1月末までとする案が政府内にあり、詰めの調整を進めている。
与野党や労使団体が引き上げたままの水準を維持するよう求める一方、政府内では「かえって休業を促すことになる」と段階的な縮小を主張する意見もあった。政府対応が焦点となっていた。
助成金は休業を余儀なくされた企業が従業員に休業手当を支払う際、国が費用を助成する。政府は特例として、日額の上限を約8300円から1万5千円に引き上げた。助成率も中小企業で3分の2から最大全額、大企業では2分の1を最大4分の3に大幅拡充していた。
特例に伴う支給決定額は10月下旬に2兆円を超えた。厚生労働省のサンプル調査によると、制度利用は打撃を受けた業種が中心で、支給額は、製造業や理美容などの生活関連サービス業・娯楽業で多かった。
(共同通信社)