ベア「2%程度」要求へ 21年春闘で連合、6年連続 新型コロナ、先行き不透明

 

 連合が2021年春闘で、基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の目標値を月給の2%程度とする要求を掲げる方針を固めたことが17日、関係者への取材で分かった。10月に公表した春闘方針のたたき台となる基本構想では、新型コロナウイルスの影響が見通せないとして数値を盛り込まなかったが、傘下の産業別労働組合から「明確な数字を掲げるべきだ」との意見が相次いでいた。

 要求を「2%程度」とするのは6年連続。連合は不況下の春闘でも従来の水準を掲げることで、近年続いている賃上げの流れの維持を狙う。賃金の低い非正規労働者や中小企業で働く人たちの格差是正にもつながると判断した。

 ただ、航空や旅行など業績が著しく悪化している業界では雇用維持にも不安を抱え、冬の一時金(ボーナス)を巡って苦戦する傘下労組は多い。来年1月ごろから本格化する春闘の先行きは不透明だ。

 要求案は17日に開かれた三役会で示され、おおむね了承を得た。19日の中央執行委員会で承認され、12月1日の中央委員会で春闘方針が正式決定される見通し。

 連合関係者によると、要求案では厳しい経済環境でも賃上げを実現することで、感染症対策と経済成長の両立を目指すとした。雇用を維持し、定期昇給分の2%の確保を大前提とした上で、ベアを合わせて計4%程度を要求する。

(共同通信社)