国士舘大(東京)で同僚教員の研究不正を通報した元教授の男性2人が、大学側に「不当な通報」と判断され、違法な懲戒処分を受けたとして、処分無効を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、元教授側の主張を認め、いずれの処分も無効とした。
判決によると、元教授らは2017年、教員が既に他の学術誌などに発表している論文を「二重投稿している」と大学内の担当機関に通報した。提出した書面に「本人が(不正を)認めた」などと記載したが、大学側は「教員が不正を認めた事実はなく、虚偽の報告をした」とし、2人を戒告処分とした。
判決で伊藤由紀子裁判長は「既に出版された論文と本質的に同じ内容の原稿を、オリジナルとして少なくとも3本発表した」と指摘し、二重投稿が疑われる行為があったと認定。元教授らの提出書面の内容は真実であった可能性が高く、処分は違法だと結論付けた。
(共同通信社)