人事院は28日、2020年度の国家公務員一般職の月給を改定せず、前年度から据え置くことを国会と内閣に報告した。民間企業の水準と比較した結果、差が極めて小さかったため。月給は14年度から6年連続で引き上げられており、据え置きは7年ぶり。人事院の判断は、都道府県などの人事委員会が地方公務員の給与改定を判断する際の参考となる。
人事院は民間企業の給与水準を毎年調査し、公務員との差を埋める必要があれば、引き下げや引き上げを勧告する。今回は国家公務員の月給が民間を164円(0・04%)とわずかに上回ったが、差が小さく、改定は必要ないと判断した。
官民の水準を比較した今年4月時点では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気後退の影響も限定的だったとみられる。
一方、人事院は国家公務員のボーナスに当たる期末・勤勉手当について、前年度より0・05カ月分少ない4・45カ月に引き下げるよう今月7日に勧告した。勧告通り改定されれば、平均の年間給与は2万1千円減の673万4千円となる。政府は勧告への対応を協議している。加藤勝信官房長官は一宮なほみ人事院総裁から報告を受け取り「しっかり検討していく」と述べた。
人事院は月給とボーナスの勧告を例年8月に行うが、新型コロナの影響で民間給与調査の時期が遅れ、ボーナスの勧告が10月にずれ込んだ。月給については改定を求めないため、勧告ではなく報告とした。
(共同通信社)