中京大元教授の解雇無効 名古屋地裁判決


 中京大(名古屋市)の総合政策学部長だった羅一慶元教授(53)が不当に懲戒解雇されたとして、大学を運営する学校法人梅村学園に地位確認などを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は26日、「処分は解雇権の乱用」と判断して解雇を無効とし、未払い賃金約5300万円の支払いを命じた。慰謝料の請求は棄却した。
 判決によると、学園は、羅氏が13年8月から1年間の韓国・延世大での在外研究期間中、半年間無断でハワイ大に滞在したほか、学生の個人情報が入ったパソコンを紛失したり入学試験を欠勤したりしたとして、16年7月に解雇した。
 井上泰人裁判長は判決理由で「ハワイ大での研究活動については計画の変更手続きを怠り、学園の規律違反とは言えるが、研究費や給与を不正に取得したとは評価できない」と指摘。
 パソコンの紛失は懲戒理由に該当せず、入試日の欠勤も業務に著しい支障が生じていないとして、「原告は何らかの懲戒を受ける立場にあったが、解雇されるほど深刻なものとは言えない」と結論付けた。
 羅氏は「4年以上研究と教育から離れており、早く大学に戻りたい。社会にとっても有意義な判決だと感じている」、梅村学園は「判決文が届いておらず、コメントは差し控える」とした。
(共同通信社)