厚生労働省は10月1日から、自己都合で退職した人が退職後2カ月で失業手当を受け取れるよう給付制限を1カ月短縮する。安易な退職を防ぐため設けてきたが、転職が一般的になる中、給付をこれまでより早く始め、安心して再就職活動や資格取得をできるよう環境を整備するのが狙い。
失業手当は、解雇やリストラなどの会社都合では申請後1週間で支給されるが、自己都合の場合は3カ月間の制限を設けてきた。在職中に再就職先を見つけるか、3カ月分の生活費を確保しておくかしないと退職しにくく、特に賃金の低い若者の転職を阻む要因だと指摘されてきた。
制限緩和の対象は10月1日以降に自己都合で退職した人。5年間で退職2回までは2カ月で失業手当を支給する。9月30日以前の退職や3回目以降の退職は、従来通り3カ月の制限をかける。
経団連は昨年9月に、不足する産業に人材を集めるため、制限を短くするよう提言。1984年に3カ月となるまでは制限が1カ月だったこともあり、昨年末に厚労省の審議会が期間短縮を求める答申をまとめていた。
2年後をめどに制限緩和の効果や雇用保険財政への影響を検証する。
(共同通信社)